スコアリングを極める!マーケティングオートメーションを使いこなすスコアリングの方法を解説

企業のマーケティング活動を強力にサポートしてくれる「マーケティングオートメーション」。
もともとはBtoB業界向けに開発されたものでしたが、今ではBtoB・BtoCに関わらずさまざまな企業で導入されており、実際に利用しているという工務店も年々増加傾向にあります。
しかし、期待をこめて導入したはいいものの、いざ使い始めてみるとどのように活用すればいいか分からない……。
そんな声をよく聞きます。

とりわけ、マーケティングオートメーションを活用するうえで欠かせない「スコアリング」について悩む方は少なくありません。 
今回の記事では、そんなスコアリングにスポットを当てて、詳しく解説していきます。
スコアリングの基本情報はもちろん、押さえておくべき重要ポイントや実践方法まで解説。
よりイメージしやすいように、工務店における具体例も多数取り上げています。

スコアリングを行ううえで必要な情報を網羅しておりますので、マーケティングオートメーションのスコアリングにお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
なお、そもそもマーケティングオートメーション自体について知りたいという方は、「マーケティングオートメーションとは?工務店での活用事例もご紹介!」で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。

スコアリングとは

顧客の属性や行動に対してスコア(点数)を付け、顧客ごとの重要度を数値化すること。
スコアが高いほど重要な属性・行動を持っており、今アプローチすべき「確度の高い見込み客」を洗い出すことができる。リード(見込み客)をスコアリングする、という意味合いから「リードスコアリング」とも呼ばれる。マーケティングオートメーションの多くが、こうしたスコアリング機能を備えている。

実は誰もが「スコアリング」をすでに実践している

これまでは、多くの工務店がこうしたスコアリングを手作業で行ってきました。
「いいや、うちはスコアリングなんて言葉も初めて聞いたけど……」
そう思っている方も、きっと気付かないうちにスコアリングを行ってきたはずです。
たとえば、工務店の営業担当者の誰もが、お客様に営業電話をかけて、「電話を取ってくれたかどうか」「実際に話した感触はどうだったか」などでお客様の購入意欲を推し量った経験があるかと思います。実は、この作業こそがスコアリングなのです。
お客様が取った行動を元に、お客様の重要度(≒購入意欲)を明確化する。これこそが、スコアリングの基本となる考えです。

マーケティングオートメーションでスコアリングする意義

マーケティングオートメーションを使えば、こうしたスコアリングをすべて自動で行ってくれるようになります。さらに、これまでは電話やアポイントという「直接的なアプローチ」上でしか推察できなかったお客様の購入意欲が、メール開封率や自社ホームページの閲覧頻度といった「お客様側からのアプローチ」も踏まえてスコアリングできるため、営業担当者が余計な手間を割くことなく、より詳細かつ正確なスコアリングが可能となります。
スコアリングは、誰もが日々のマーケティング活動の中で実践していることですが、マーケティングオートメーションを使うことでこそ、その真価を発揮することができるのです。

スコアリングにより工務店が得られる効果

そんなスコアリングですが、実際に、工務店ではどのような効果が得られるのでしょうか。次の段落から詳しく見ていきましょう。

お客様の重要度を明確化して見込み客リストを最大活用

スコアリングがもたらす最も大きな効果は「優先的に対応すべきお客様が『可視化』できる」という点にあります。
日々のマーケティング活動のなかで、無数に蓄積されていく見込み客リスト。ポータルサイト反響や自社ホームページからの問い合わせ、モデルハウスやイベント来場など、その獲得経路はさまざまです。

そんな見込み客リストには、獲得経路同様、さまざまな確度のお客様が混在しています。「今すぐ家を建てたい!」というホットなお客様もいれば、「とりあえず資料請求だけしておいて、比較検討からじっくり始めよう」という、いわゆる「これから客」も数多くいます。 
そんな状態の見込み客リストですから、営業アプローチをかけようと思っても、どのお客様にアプローチすればいいか、このままでは検討もつきません。かといって、すべてのお客様に対して均等に営業アプローチをかけることは時間の無駄ですし、そもそも現実的ですらありません。工務店の営業担当者は非常に忙しく、「見込み客の掘り起こし」には限られた時間しか割けないためです。 
そんなときに活躍するのが「スコアリング」です。
スコアリングを行えば、属性や行動に応じた「お客様の重要度」が明確化されるため、どのお客様に優先的にアプローチすればいいかがひと目で分かるようになります。つまり、スコアリングを行えば、「雑多にまとめられ、どこから手をつければいいのかさえ分からなかった見込み客リスト」が、「今アプローチすべき重要なお客様が分かる宝の山」と化すのです。

営業アプローチをルール化しておくことで営業効率もアップ

お客様のスコアに応じた営業アプローチをルール化しておくことで、誰もが素早く営業アプローチを行えるようになり、営業効率を改善することもできます。
たとえば、

  • スコアが5点に達したお客様には、施工事例・お客様の声をメール配信
  • スコアが10点に達したお客様には、営業担当者から電話でアプローチ
  • スコアが15点に達したお客様には、モデルハウス・イベント来場への案内を電話
  • スコアが20点に達したお客様には、簡単な提案をそえて営業担当者から電話でアプローチ など……

といったように、次の行動を明確化しておくと、迷うことなく営業アプローチを行うことが可能となります。
これにより、営業担当者が無駄に思考を巡らす時間を減らし、素早い営業アプローチによって営業効率を改善することができます。また、営業の成功パターンをルールに反映することで、さらなる効率改善が期待できます。
これを繰り返すことによって、これまでは「敏腕営業担当者が、知識と経験を元に行っていた営業アプローチ」を、すべての営業担当者がこなせるようになるのです。

シンプルな「優先順位の可視化」で営業担当者にも分かりやすく

マーケティングオートメーションの多くが、こうしたスコアリング機能を備えていますが、あまりに仕組みが複雑すぎると、せっかくの機能も使いこなすことができません。特に、よく知られるマーケティングオートメーションは、ウェブリテラシーの高いマーケター向けに開発されていますから、詳細かつ複雑な設定ができる一方で、工務店の営業担当者には非常にハードルが高いというのが実情です。
「スコアリング機能を活用したいのに、設定項目が複雑すぎて諦めてしまった……」
こうした失敗談を耳にすることも珍しくありません。
工務店・ハウスメーカー特化型のマーケティングオートメーション「KASIKA」は、シンプルなデザインを第一にしています。
せっかくのスコアリング機能も、使いこなせなければ宝の持ち腐れ。そうした事態に陥らないよう、KASIKAのスコアリング機能は「シンプルかつ分かりやすく」をモットーに、少ない手間で設定・閲覧できるように開発されています。ウェブにそこまで詳しくない方や、日々の業務でお忙しい方でも安心してお使いいただけます。
導入前には複数回の勉強会を行い、導入後も潜像担当者が適宜アドバイスをさせていただきますので、サポート体制も万全です。

スコアリングの前に必ず行っておくべき重要なこと

続いて、スコアリングを行うにあたって欠かせない重要ポイントを解説していきます。
ポイントは大きく4つです。

  1. 目的の確認
  2. ゴール設定
  3. いつまでに成し遂げるのか
  4. 誰がそれを行うのか

他のマーケティング手法同様、スコアリングを行う際にも、こうした項目を事前に明確化しておくことが重要です。しかしながら、「ゴール設定」と「いつまでに成し遂げるのか」の2点がきちんと定まっていないケースも散見されます。
これらの重要性と、具体例を見ていきましょう。

ゴール設定

スコアリング(あるいはマーケティング施策)における「ゴール設定」は、しばしば「目的の確認」と混同されてしまいますが、二者はまったくの別物であることを理解しておきましょう。
「目的の確認」が漠然とした大きなものであるのに対し、「ゴール設定」はより具体的なものである必要があります。
例)
目的の確認 …… 反響後の来場率アップ
ゴール設定 …… 年間360件の反響に対して、現在12組の来場を18件まで増やしたい(来場率を現状の150%に改善)
「ゴール設定」が明確に定まっていないと、行った施策を正しく評価することができず、次回に活かすことができなくなります。その施策によって目標を達成できたかどうかが分かるよう、具体的な数字としてゴールを掲げるようにしましょう。

いつまでに成し遂げるのか

ゴール設定同様、「いつまでに成し遂げるのか」も具体的に定めておく必要があります。でなければ、施策を振り返るタイミングが分からないうえ、せっかく定めたゴール自体もあやふやになってしまいます。
いつまでに成し遂げるのかを決める際に重要なことは、「十分に施策を振り返るだけの実績を蓄積できる期間かどうか」です。
ただ「なんとなく」で、1ヶ月後を区切りにしてはいけません。
とりわけ、スコアリングはその後の営業効率を改善するための施策ですから、リスティング広告のようなウェブ広告とは違い、ごく短期間で効果が表れるとは限りません。そのため、3ヶ月・半年・1年といったように、中長期スパンで振り返るポイントを定めておくといいでしょう。

【実践編】スコアリングの方法

続いて、具体的なスコアリングの方法を解説していきます。
前述したとおり、スコアリングとは「顧客を重要度に応じて数値化」する作業のことです。
数値化する対象となるのは、下記の2点です。

  • 顧客の属性(年齢や性別、職業など)
  • 顧客の行動(資料請求や「お客様の声」ページ閲覧、イベント来場など)


顧客は、もともと持っている属性に応じたスコアに加え、オンライン・オフライン上でのさまざまな行動を通じてスコアを蓄積していきます。
スコアが高いということは、積極的に多くの行動を取っているということ。つまり、購入意欲が高く、あなたの会社にとって重要なお客様といえるのです。
スコアリングの肝は、「どんな属性・行動に対し、どれだけのスコアを割り振るか」にあります。具体的な例を見てみましょう。

  • メルマガ開封 :1点
  • メルマガ内リンククリック :2点
  • 施工事例ページを見る :1点
  • お客様の声ページを見る :2点
  • モデルハウス・イベント予約ページ閲覧:5点
  • 問い合わせ :5点
  • 資料請求 :10点 など……

※上記はあくまで参考です。実際の点数は、自社の特徴に応じてつけるようにしましょう。
忘れてはいけないことは、これまで「反響」として計測していた行動(資料請求や問い合わせ、イベント来場など)だけでなく、それ以外の行動に対しても、必要に応じてスコアを割り振るということです。上記の例でいえば、「メルマガ開封」や「お客様の声ページを見る」などがこれにあたります。
スコアリングのいいところは、直接的な反響だけでなく、徐々に購入意欲が高まりつつあるであろうお客様が取る行動も含めて、総合的に評価できるところにあります。
メルマガを送るたびに内容をチェックし、リンクをクリックしてくれるお客様は、あなたの会社に大きな関心を寄せていると考えられます。たとえ予約はしなくとも、モデルハウス・イベント予約ページを見ているお客様は、都合があえばモデルハウス・イベントに行きたかったと考えているかもしれません。
そうしたお客様の行動も見逃さないのが、スコアリングの良いところなのです。

KASIKAでは、スコアを割り振った行動を取ったお客様に対し、そのスコア分のタグを付与することができます。このタグが蓄積される、あるいはより高いスコアのタグが付与されたお客様に対し、優先的に営業アプローチを行っていくことで、営業効率を大きく改善することができます。

スコアリングを行う際に気をつけるべきポイント

最後に、スコアリングを行う際に気をつけるべきポイントをチェックしましょう。ここを押さえておくことで、スコアリングでの失敗を格段に減らすことができます。

はじめから複雑に設計しすぎない

スコアリングは、一度決めておしまいではなく、何度か試しながら自社に最適なスコア配分を決めていくことが重要です。また、実際にスコアリングを行ってみて初めて気付く修正点などもあるでしょうから、はじめから複雑に設計しすぎず、まずは最小限のスコアリングから行うようにしましょう。
その後、方向転換や修正を反映し、運用状況を鑑みながら、徐々にアップデートしていくことをオススメします。

自社の考えだけでスコア配分をしない

スコア配分を考える際、自社だけで「購入に至るお客様は、きっとこういう行動を取るだろう」と決めつけてしまうのは禁物です。
お客様は、こちらが想定するよりもずっと多種多様なプロセスを経て、住宅の検討から購入へと至ります。そのため、スコア配分を考える際には、必ず自社の既存顧客からヒアリングを行い、どのようなプロセスを経て購入したかを確認するようにしましょう。
さまざまなお客様がいらっしゃいますから、少なくとも5~10人にはヒアリングしたいところです。

まとめ

今回の記事では、マーケティングオートメーションをフル活用するうえで欠かせない「スコアリング」について解説しました。
スコアリングのやり方をよく分かっていなかった方や、そもそもスコアリングという概念自体ご存知なかった方でも、この記事を読めば具体的な実践方法までがお分かりいただけたかと思います。
工務店・ハウスメーカー特化型マーケティングオートメーション「KASIKA」は、忙しい方でも少ない負荷で設定でき、ウェブに詳しくない方でもひと目で分かるスコアリング機能を搭載しています。マーケティングオートメーションでスコアリングを行い、営業効率改善につなげていきたいという方は、ぜひKASIKAの導入をご検討ください。